「どうした?」 ぼうっと自分に視線を向けるレイを不思議に思ったクリスが、レイの顔を覗き込むように屈んだ。 「なっ、なんでもない」 目の前にクリスの顔が近づいた事で、レイはとっさに顔を背けてしまう。 どうしてだろう、顔が熱い… それに――、 月明かりに照らされたクリスの顔を見た時、胸が……熱くなった。 「そうだ。レイ、ちょっと来て」 「えっ?」