辺りはまだ夜が明けていないらしく、月の光だけが妖しく海を照らしていた。 砂浜に横たえていた体をゆっくりと起こすと、レイはゆっくりと辺りを見回した。 しかしどこを見ても建物はなく、遠くに森のようなものが見えるだけ。 レイはゆっくりと手元に視線を移すと、そっと砂浜の砂をすくった。 サラサラと指の隙間から流れ落ちる砂が、月の光に照らされてキラキラ輝いている。 「ここ…どこ…」