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「クリスっ」



自分の名前を呼ばれて、クリスは声のする方へとゆっくり振り返った。



「リアン」



リアンと呼ばれた女性は、茶色の長い髪をフワフワと揺らしながらクリスの下へと走ってくるところだった。



「クリス!!探したわ!」



クリスの両肩に手を置くと、リアンは肩で息をしながらそう叫んだ。



「どうした、リアン?ちょっと落ちつきなよ」



そう言うとクリスはリアンの顔を下から覗き込むように屈んだ。