その時。



――コンコン。



「はい」



ふいに響いたノックの音に、彼女は視線を向けずにそう答えた。



「長老会がお呼びです」



(長老会…)



その言葉に、女性は少しだけ眉をひそめたが再び服のボタンを整えるとドアへと向かった。



「わかりました」



ドアを開けて出てきた女性に向かって、廊下にいた男は一旦お辞儀をすると廊下の奥へと女性を促した。



「こちらです、シーラ様」



ふたりの姿が、暗い廊下の奥へと吸い込まれるように消えていった……