「おはよう!こんなに早く目が覚めちゃった」と弾む声で言いながらリビングに向かった。そこには誰もいなかった。母の部屋を覗いても母はいなかった。私は、母との二人暮らし。もしかしたら母は入学式の事を忘れているのかもと思い電話をかけ留守電にメッセージを残しメールも送っておいた。私は近くの人からもらった制服に着替え母を待ったが母から連絡もなく40分かけて高校まで歩いて行った。
高校につくと受付けに気が強そうな女の人が立っていた。ほんとは保護者が出す書類やお金を自分で出し受付から去ろうとしたが女の人から「保護者は来ますよね?」私は「たぶん・・・」とだけ伝え体育館へ向かった。
だいぶ早くついたようで生徒は2人しかきていなかった。自分の席を見つけボーッと幼稚園の時から中学の入学式と卒業式の事を思い出していた。今まで一度も母は出席をしていなかったのだ。
母は自由な人だ。私が幼い頃から水商売で働きいつも違う男と家に帰って来る。ラブホ代がもったいないようでいつもいろんな所で男と裸で抱き合っている。時に私の体も売られる事もあった。小学生は高くつくらしい。
そんな環境で育っていることもあり私は男が汚く思えていた。高校に入っても彼氏は作らない。