【短編】ねぇ。君はまだ覚えているかな






…自然に

重ねられた唇が

離れたとき。








日付が変わったことを

知らせる鐘が

遠くから

かすかに聞こえた。








私の左手の薬指に

おさまった

シルバーの

リングは、


夜空に浮かぶ

三日月に

静かに

照らされていた。





END