【長】黎明に輝く女王

 すると、一人のメイドが言った。

「それに女は美しく変身を遂げられます。そのために私たちがいるのですから、任せてください」

 着飾って変身する。女の子なら一度は夢見ることだろう。
 あたしにも、そんなことを思っていた時期があった……のかもしれない。だって、その言葉に少し胸が躍っている。


「そうすれば、皆さん見違えるような眼差しを姫様に向ける事でしょう」

 雰囲気が明るく華麗になるだけでも、大きな違いがあると彼女は言う。
 もしそうなのならば、あたしは。

 あたしは姫の仮面を被り、姫を演じることで夜会にも落ち着いて参加することができるかもしれない。
 ふと、そんなことを考えた。

 夜会はあたしにとっては戦場も同じ。ここで大きくでることによって、この先が変わるかもしれないのだから。




 今回の夜会は、大きな名目があるわけではない。定期的に開かれるもので、基本的に爵位以上を持つ者ならば参加可能である。
 逆にいえば、多くの者が参加するため、その場で何かをアピールするには絶好の機会といえる。
 嫌だと思わず、チャンスと思い、この機に大きく動く事は大切だろう。