「どれも素敵なイブニングドレスですこと」
「これは確かに決める事ができないわ」
メイドたちが目を輝かせておしゃべりをする。女の子らしくこういったものが好きなのは分かる。
じゃああたしは女の子らしくないのか? 確かに、着飾るよりも動きやすいラフな格好が好き。もともと髪も短く、剣の稽古もしていた。
ボーイッシュといえば、それまで。スカートを着たり、髪を伸ばしたきっかけだって親から言われたからといったようなものだ。
「はぁ、あたしが着るのにはちょっとね……」
メイドたちが話している後ろで小声で呟く。
しかし、その声が彼女たちにも届いていたのか、こちらを向いて話してきた。
「何をいいます! 姫様が着るからこそ美しく映えるものでしょう」
「そうです、ここ数年で随分お美しくなられたのに」
「いや、別にお世辞を言わなくても」
馬子にも衣装といわれてもおかしくないと、あたし自身は考えているのに。
それに、美しくなったって……彼女の眼があたしにはとても心配だ。
「お世辞ではありません、この金の御髪も艶やかで、瞳の碧ととても合っていて」
「口を開けば昔の名残があるかもしれませんが、黙ったままでしたらお人形さんのように可愛らしいですよ!」
口を開けばって、褒めてるのか貶しているのか。その言葉に顔が下を向いてしまう。


