撃たれた庵へと駆け寄る、要。
 
新は、銃弾を放った若頭へと
近寄り、彼の頬を力いっぱい
に打った。

「お前、何をしたか
 分かっているのか?」

自分の目の前で、会澤組若頭
が庵を殺した

そう思った男は、笑いながら
銃を降ろした。

それを待っていた若頭は
素早く、男を取り押さえた。

新は何が起こったのか、まだ
理解できていない様子で
庵を見つめた。

瞳に映る光景に、新は驚く・・

撃たれたはずなのに、胸を
押さえて倒れるどころか
その場に立ち

顔色ひとつ変わらない庵の姿。

「どうしてだ・・・空砲?」