庵の姿に、新は言う。

「イオリ、お前・・・
 どうして?」

「親父、すみません・・・」

「カナメ、お前は何も悪くない
 はじめから、こうなる事は
 分かっていた
 それなのに、お前を一人で
 行かせたのは、この俺
 
 謝る必要はない」

「さあ、貴方の返答次第では今
 この場で命を頂く事になる」

男は、拳銃を庵に突きつけた。
 
全く、動じない庵に男は言う。

「慣れとは、怖い物だな
 銃口を向けられても
 アンタは動揺する事もなく
 さっきまでと何も変わらない
 
 しかし、そうも言っては
 おけまい
 
 死の恐怖は、ひしひしと
 迫ってくる」