エレベーターの前、幹生に
抱かれる浬は

今日あった出来事を、子供の
視点で見たまま、一生懸命に
幹生に話していた。
 
「そうか、おじいちゃん
 元気だったか・・・
 それで
 帰りが今になったの?」

「そうなの・・・
 ミキオさんは、仕事
 ・・・じゃないか
 出掛けてたの?」
 
仕事着姿では無い幹生に
話しかけると、彼は少し
苦笑した。
 
「仕事仲間と飲みにね
 家に居ても
 ・・・喧嘩するだけだし」

幹生は浬を降ろし、優しく
彼の頭を撫でた。

「ユキから聞いたよ
 
 まだ
 仲直りできてないの?」