「先代、それは本当の話なの
 ですか?
 俺は、会澤が亡くなる前に
 彼の口から、俺の出生の秘密
 を聞いた
 俺は、親父イチヤと実妹で
 あるカヤコという女性の間に
 できた子供・・・
 そう、彼は言った
 お願いです、隠さずに
 本当の事を教えてください」

花夜子の名前を聞いて

正二の顔色が交わる。

「会澤が何故、カヤコの事を
 知っている?
 まさか、カヤコが家を
 飛び出した後に身を寄せて
 いた男がいたが・・・
 それが、会澤なのか?」

正二の、驚く様子を見て庵は
彼が何も知らない事を知る。

「はい、その女性と一緒に
 暮らしていたと・・・
 会澤は、彼女を心から
 愛していたようですが
 彼女には他に愛する人がいた
 それは・・・」

正二は、その名前を口にする。

「兄貴・・・イチヤ」