「親父、話を続けてください」
    
「抗争が終結した事に
 意見のある奴、気持ちが
 治まらない奴は
 たくさんいるだろうが
 争っている時間はもう無い
 
 そろそろ、サツ(警察)が
 お目見えする頃だ
 不満があれば、今後幾らでも
 この俺が相手になる
 
 だから、今は堪えてくれ
 動ける奴は一刻も早く
 この場所から逃げろ
 分かったら行け、行くんだ」

庵の言葉を受けて、男達は
警察から逃れる為、八方に
散らばる。

「カナメ
 部屋のドアを閉めてくれ」

会澤組の連中は、会澤組長
の亡骸を拝む事なく
 
この場を離れる事はできない
でいた。
   
それに、次期組長になるで
あろう新を

残してはいけない。