庵は、傷む足を引きずり

血の滲む脇腹を押さえ

震える新に

ゆっくりと近づく

その時、鍵のかけられたドア
を、力いっぱいに蹴り壊し
要がその場に現われた。

静寂が異様な空気となり
この部屋を包む。

「カナメ」

要は、急ぎ傷ついた庵の元へ
と駆け寄ろうとした。

「来るな」

庵の叫ぶ声に、要は立ち止まる

「親父・・・?」

要の肩の向こう

敵味方が混ざり合い、この状況
を思い思いに見つめている姿が
庵の瞳に映る。

勝利したと喜ぶ者達
  
落胆する者達・・・

皆、息を呑み

その場に立ち尽くす。