「タカツキイオリに関わった
 今回の件で貴方は
 最初から、何かに囚われて
 自分自身を見失っている

 どうか
 目を覚ましてください」

「うるさい、黙れ
 私はただ、高月組の全てを
 この手に入れたいだけだ
 
 イチヤから
 全てを奪いたいだけ・・・」
  
「親父、今、貴方の前にいる
 のは、タカツキイチヤでは
 ありません
 
 貴方が、憎んでいる相手は
 もうこの世にはいない
 いつまで、彼に
 囚われているのですか?
 
 こんな事では、組員も皆
 貴方から、離れて行って
 しまいます、どうか
 もう止めてください」

「黙れ
 カヤコは、誰にも渡さない
 お前は、俺だけの者だ
 裏切られても、俺は
 お前が愛しい
 それなのに、どうして
 この俺に、何も言わずに
 お前は、俺の前から
 姿を消した?
 
 そんなにも、イチヤが
 いいのか・・・
 帰らぬ人となったお前に
 もう、聞くことはできない」