「私なら、大丈夫だよ
 あなたの怪我に比べたら
 これぽっちの怪我
 何ともないわ」

菫はもっともっと強く、庵を
抱きしめた。

会澤は抱きあう二人を見つめた
後、新を見つめる。

「アラタ、これはどういう事だ
 どうして、女の縄を解いたり
 した」

「組長、今回の貴方の遣り方
 には正直、賛成できない
 
 堅気の女を捕らえて、組長を
 呼び出し、彼を身動きひとつ
 できなくして、痛めつける
 そんな姑息な真似、そこらの
 ガキの喧嘩と同じじゃない
 ですか?
 
 こんな事をしなくても
 真っ向から打つかって 
 勝算はあったはず」

「お前
 親に逆らうつもりか?」

「親父・・・お父さん
 私は貴方に引き取られてから
 今まで、ずっと、貴方の言う
 がままに行動して来ました
 
 でも、今日は言わせてもらう
 貴方は、間違っている」