――――― ――― 「恭平さん、どうしちゃったの?早く温泉入りに行きましょうよ」 沈黙に耐えきれなくなったのは、杏奈だった。 私は入り口のすぐそばに座り、泣き出してしまいそうな気持ちをこらえていた。 「…栞奈。久しぶりだな」 次に口を開いたのは恭平さんだった。 私は俯いたままだった。 今顔を見たら、間違いなく止まらない。 そんな変な自信があった。 .