会いたくて、でも自分から遠ざけた。 ―――恭平、さん。 私はとっさに顔を背ける。 隣には、国枝杏奈が満足げに腕を組んで歩いている。 心臓がえぐられるように痛む。 なんで、こんな形で会ってしまうのだろう。 しかも、二人でいるところ。 「仲居さ〜ん、この荷物お願いね」 私だって絶対わかってる。 それでも、私は荷物を持ち上げ、真里さんが案内する二人の後ろから追いかけた。 .