そして連休。 私たちは恭平さんの運転で隣県の温泉町にやってきた。 泊まる旅館は全室離れの一軒家風な建物になっていて、静かないいところだ。 「栞奈、荷物おいたらそのあたり歩いてみるか?」 「うん!」 私は、初めての温泉旅館に興奮していた。 自然と普段よりも高い声が出る。 .