花の魔女




でも、何と重なったのか全くわからない……



「そろそろ戻ろうか。ジェイクももう外に出たいころだろうし」


「そ、そうね」


ナーベルが頷くと、ラディアンはもと来た道を戻りはじめた。

その背中を見ながら、ナーベルは耳元の花に手をやる。




ただ花を贈られただけなのに。


どうして私は、こんなにドキドキしているの……?




「ナーベル?」


ついてこようとしないナーベルに、ラディアンが振り返った。


「どうかした?」


「な、なんでもないわ。行きましょう」


あわててラディアンのあとを追った。



風が吹いて木々が、花が揺れる。






ローダンセの花言葉は、変わらない思い―――