花の魔女



綺麗な男の子の笑顔にどきどきしながら、ナーベルは答えた。


「何をしてるの?」


靴を脱いで小川の中に入り、ナーベルの横に並んだラディアンにカエルを指さしてにっこり笑った。


「今日はね、カエルの結婚式、なの」


「カエルの?」


「そうよ」


その間にも、二匹のカエルは楽しそうに跳ね回っている。


「だから私、お祝いしてるの。幸せになりますようにって」


そして足元を流れていく澄んだ水を少し手で掬いとり、空に向かって勢いよく放った。


太陽の光に反射して、キラキラ光る綺麗な水の粒が、祝福するように二匹のカエルに降り注ぐ。


「わあ」


ラディアンが嬉しそうな声をあげて、ナーベルは嬉しくなって頬を染めた。


やがて、カエルはぴょこぴょこと跳ねながら二人から離れていった。


「あの二匹、幸せになるといいな」


興奮して、思わずラディアンに笑顔を向けると、ラディアンからも笑顔が返ってきてナーベルは彼に見とれた。



もっとラディアンと仲良くなりたい――



そう思って、口を開きかけたときだった。