白い靄の中に浮かびあがってきたのは、綺麗な水の流れる、小川の風景だった。
ナーベルは川の中に足を入れ、冷たい水をぱしゃぱしゃと蹴って遊んでいた。
小川の淵に、二匹のカエルを見つけて、ナーベルは目を輝かせた。
仲良く一緒にいるカエルは、まるでこの前教会で見た花嫁さんとお婿さんのようだ。
ナーベルがカエルに見入っていると、ふと視線を感じて、振り返った。
そこには男の子が立っていて、ナーベルは目をまるくした。
「だあれ?」
見たことがない子だ。
この村の子じゃないのだろうかと思いながら男の子をじっと見つめていると、男の子はナーベルに向かってにっこりと微笑んだ。
「僕はラディアン。君は?」
「ナーベルよ」



