ラディアンはドロシーの口から出た言葉に、キョトンと目を瞬かせた。
こんなにしおらく自分の非を認める目の前のドロシーと、これまでの高飛車なドロシーとが結びつかない。
「誰…?」
思わず呟くと、一瞬の間を置いてドロシーは憤慨して怒り出した。
「ナーベルもあなたも、二人して私のことを何だと思ってるのよ!」
喚きだしたドロシーは、やはりドロシーだ。
ルッツがやれやれと首を振りながらドロシーを宥めて落ちつかせようとしている。
ラディアンは辺りを見回し、彼女の姿が見えないことに疑問を持った。
「ナーベルは、どこに?」
ドロシーは喚くのをやめ、少し表情を暗くした。
「ナーベルなら、たぶん…お父様のところよ」
「何だって?どうしてそんな…?」
ラディアンは眉を顰め、ドロシーに詰めよった。



