「わかりました。行きます」
真っ直ぐにレジスを見た。
レジスは面白そうに笑みを浮かべて、二、三度頷いた。
そして小柄な少女に視線を送り、少女はぴくりと反応してレジスを見た。
「ラウラ、あの方のもとへお連れして差し上げなさい」
「かしこまりました、レジス様」
可愛らしい声で淡々と言い、ラウラと呼ばれた少女はナーベルにつかつかと歩み寄り、腕を捉えた。
「案内致します。しばらくご辛抱を」
ラウラがそう言った途端、彼女の体から黒い靄のようなものがぶわっと溢れ出し、ナーベルを取り囲んだ。
「ひっ」
闇に体が包まれて、すぐに何も見えなくなった。
ラウラに腕を掴まれている感触すら薄れてきて、前も後ろもわからない闇の中に放り出されてしまった。
それからすぐにぐにゃりと天地がひっくりかえるような感覚が襲ってきて、ナーベルは気を失った。



