あの襲撃の夜以来、この目で再びまみえる日を待ち焦がれていた。
必ず助けると誓ったその人が目の前に。
幻なんかではなく、走ってきたらしい彼の息遣いがしっかりと耳に届いた。
ラディアン…
「何をしている!?」
ラディアンは座り込んでいるドロシーと、その傍らにいるルッツを見て顔を険しくした。
呪いがまだ解かれていない彼からしてみれば、花嫁が敵に捕まっているようにしか見えない図だ。
すぐさま剣を鞘から引き抜いたラディアンに、ドロシーが慌てた声を出した。
「違うわ、この人たちは…!」
止めようとするドロシーをラディアンから隠すようにして、ナーベルはドロシーの前に立った。
何をするのかと抗議の視線を送ってきたドロシーに、ナーベルは声音を低くして告げた。



