花の魔女


ルッツの瞳が悲しげに揺れ、ナーベルも2人のことを思い悲しくなった。



ドロシーとルッツも、私たちのように引き離されてしまったんだわ。



ドロシーはどれほど悲しんだろう。

今なら、それがわかる。


ナーベルはそっと目を閉じた。



(私も、ラディアンに会いたい。青い瞳にもう一度私を映して……。暖かい腕で抱いて、私の名前を呼んで――…)



「決めたわ」


ぱちり、と目をあけ、ナーベルはルッツと目をあわせた。


ルッツは不思議そうな顔でナーベルを見つめ返してきた。


「私、ラディアンとドロシー、2人とも助けるわ。ルッツ、協力してくれるわよね?」


ルッツははっと息をのみ、それから強く頷いた。