花の魔女


ナーベルはそんなモニカをじっと見る。


手に嫌な汗がじわりと滲んできた。


「ええっと、確か……プルバの村だったと思います。村の外れの、森の方に」


ナーベルははっと息を飲んだ。


身震いがする。

止まらない。


「モニカ」


「はい?」


モニカはくるりと振り返ってナーベルを見た。

そしてぎょっとした顔をする。


「ナーベル様!やはりどこかお加減が……」


「何だか寒いの。ホットミルクが欲しいわ。うんと熱いの」


「わかりました。すぐお持ちします!」


モニカはナーベルの頼みを聞き入れると、すぐさま部屋を飛び出して行った。


パタンとドアが閉まると、黙って立っていたルッツがこちらに一歩近づいた。


「どうやら、私の勘は正しかったみたいですね」


ナーベルはまだ止まらない震えを抑えるように、両腕で自分の肩をしっかりと抱いた。