目を見開いたままルッツから離せないでいると、コンコンと控えめに部屋のドアがノックされた。
ナーベルとルッツは同時にドアの方を振り返ったが、ナーベルは怯えたようにドアを見たまま、動くことができない。
そんなナーベルをちらりと見てから、かわりにルッツが返事をした。
「はい、どうぞ」
ルッツがドアに向かって言うと、すぐにドアが開いてひょっこりとモニカが顔をだした。
「ルッツさん。ただいま戻りました……って、あら?ナーベル様、どうかなさったのですか!?」
モニカは、顔を青くしてベッドの上に座っているナーベルを見つけ、慌てて駆け寄った。
「大丈夫よモニカ。どうもしてないわ……。ただ、もう休みたいかも」



