花の魔女


「ところで、今ナーベルさんはどこまで修行を終えているのかしら?」


アナベラがキャロットポタージュにスプーンを入れながら尋ねてきた。


「大体のことは一通りラディアンから教わったのですけれど……」


「わたくしが花の魔法もお教えしているのです。ですからもう少し課題が残っておりますわ」


口ごもったナーベルにフィオーレが横から口を挟み、アナベラはまぁ、と口元に手をやった。


「花の魔法ですって!素晴らしいわ、ナーベルさん!」


「本当に。やはり私たちの目に狂いはなかったようだなぁ」


サイラスも感心して目を見開いているので、ナーベルは恐縮して縮こまってしまった。