広間に入ると、入ってきたナーベルを真っ先に見つけたフィオーレが目を見張り、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「さすがナーベル様、お似合いですわ!とてもきれい!」
「ほんとねぇ。こんなにきれいな娘がラディアンの花嫁になるなんてもったいないわ」
アナベラも感心したようにナーベルを見つめて、うんうんと頷いている。
「馬子にも衣装とはこのことだな」
期待していた通りのことをジェイクが言ったので、ナーベルは緊張が解けてプッと吹き出した。
たまにはジェイクも役にたつ。
「さあ、席について。ゆっくり食事でもしながら話をしよう。これからどうやっていくか、みんなで話し合わなくては」
珍しくサイラスが真面目にまともなことを言って、アナベラが驚きなのかおもしろがっているのか変な顔をしてサイラスの隣に腰を下ろした。



