モニカに言われて、ナーベルはゆっくりと鏡の方を向き、目をまるくして口元に手をあてた。
ペチコートでふんわりとしたスカートは動くたびにキラキラと煌めき、肩を大きく出したカットの襟にはゴールドの花模様が入っている。
いつも下ろしているだけの黒い髪はアップされ、ティアラが頭の上にちょこんと乗っかっていた。
(きれい、かもしれない)
想像すらしたことのなかった自分の姿に、ナーベルはただ驚くばかりだった。
「馬子にも衣装だわ」
「いやだ、ナーベル様ったら。とてもお似合いですよ」
ナーベルが思わずぽつりとこぼした言葉にモニカは吹き出しつつも、櫛で再度ナーベルの髪を整え、ティアラの端に花飾りをつけた。



