次の日の朝、タカと一緒に目を覚ました。

寝起きは機嫌の悪いタカに話しかけずに、着替えてメイクした。


「なぁ、今日どこ行く?」


「……う〜ん…私、今日、帰る。」

「は?なんで?」

「就活で調べないといけないこと思い出したんだ。ごめんね。」


「・・・夜じゃだめなの?」


「うん・・間に合わない。」


「そっか・・・じゃぁ送ってくよ。」




本当はもっともっと一緒に居たかった。


用事なんてなにもなかった。


だけど・・今日で終わりにすると決めたから・・・



アパートを出ると、

雲ひとつない、青空が広がっていた。




駅に着くと、
「じゃぁな。気をつけて帰れよ。
また来週会おうな。」



「うん。
じゃぁ、またね。」


最高の笑顔を向けて、
手を振った。



涙が見えないように急いでタカに背中を向けて、改札を通った。



そして、携帯からタカのメモリを消した。


ホームから見上げた空は、
やっぱり真っ青で、
鳥や飛行機が通るのがよく見えた。