私は手の平で額の汗を拭って、 ママのバックの中のジュースを取ろうと海から視線を外した。 その一瞬だった。 「奈々!!!」 ママの悲鳴みたいな叫び声が聞こえた。 目を上げたら、 奈々はもうそこに居なかった。 パパとママが奈々を呼びながら海の中を探していて。 私は動けなかった。 何が起きているのか、わからなかった。 ただ、奈々がいなくて。 心臓がドキドキした。 暑いからじゃない汗が、 手の平をじんわり濡らした。