「…なつ……奈津!」


誰かに呼ばれて、
私は目を開けた。


もうとっくに日が昇っていて、
目の前には、マスターがいた。


「おはよ。」


何て言ったらいいかわからずに、
私はそう言った。


マスターは眉をしかめる。


「いつから此処に?」


問われて、私は首をひねる。


「たぶん、9時半くらいから。」


私の答えに


「今、7時だって…。」


とマスターは呟いて、そして顔色を変えた。


「っか…お前…まさか夜から…?!」


言ったマスターの手が、額に滑り込んでくる。


心臓が跳ねた。


こんな風に、触れられるのは始めてだった。