「海に、行こうか。」 言われて 私は首を傾げた。 どうして、海? 「連れてってよ、二人の海。」 言われて、私はその顔を見上げた。 二人の海。 これからは 三人の海になる。 それは、悪くない。 ね、奈々。 そう思わない? 引き寄せられた体が 火照る。 私はその顔を見上げて頷いた。 「行こう。海。奈々も喜ぶ。」 私が言うと、 唇が奪い取られた。 重ねられた唇が 熱く濡れる。 私はゆっくり目を閉じた。 閉じた瞼に 奈々の笑顔が 貴方の笑顔が 色鮮やかに 浮かび上がった。 −end−