kiss☆me





がちゃ


ゆっくり扉を開けると
リビングから笑い声と共に夕飯の良い匂いがした。



きっと今夜はシチューだな。




「ただいま〜」



靴を脱ぎながら、ちょっと大きめの声で言うと、


「おかえりなさーい」


お母さんの声だ。

そして手をエプロンで拭きながらリビングから顔を出した。



「今日は、遅かったわね〜」


「うん。ちょっと…。」



「どうしたの?」



「……電車逃しちゃって。」


「あ、そう。」


まあ、本当でもないけど。嘘でもないか…。