そんな時、ケータイに着けてたクマのキーホルダーがコロンと転がった。
落ちたのは彼の足元。
「あ…。」
座っていたベンチから
必死で手を伸ばしてみたが、どうしても届くことはなかった。
ずっとこちらには目をむけなかった彼は、隣にいる変な女の行動に気づいたのか足元に転がったクマのキーホルダーをとってくれた。
「はい、あんたのなんでしょ?」
「あ、あ、ありが…」
お礼をすごく言いたいのに心臓のドキドキがゆうことをきかなかった
そんな時
プシュー―
電車到着。
彼は私を見もせずに電車へ乗り込んでいった。


