声が出たか、出ていないかは、自分では分からなかったけど。 運がいいのか、悪いのか。 目線の先の人物は、ちらりともこちらを見なかった。 きれいな横顔だけが、目の前にあった。 彼だった。 昨日から、他のことを考えさせてくれない。 まさしく、彼。 今日の時間は、5時半。 昨日より、早いな。 良かった早く来てて。 今日も見れた。 やっぱりカッコいい。 話かけようかな。 でも、でも ………やっぱり無理。 緊張。