kiss☆me





――次の日。




学校が終わると、駅へ急いだ。



春風と春海が帰ろうと誘ってくれたけど、用事があるとか嘘をついて出てきてしまった。





駅のホーム。



まだ人はまばらだ。


ケータイを片手にベンチに腰掛けた。




―昨日あのあと、


普通に電車に乗って、地元に帰った。



一つ違う事は、ずっと視線が前を向いていたこと。



いつもなら、ケータイをいじったり、音楽を聴いていたりするけど。




目の前の席に隣に立っていた彼が座っていたから。



電車の中では、音楽を聴きながら本を読んでいた。




カッコいいなあ。
ただそれだけだったけど、なんだか惹かれた。