――次の日。
学校が終わると、駅へ急いだ。
春風と春海が帰ろうと誘ってくれたけど、用事があるとか嘘をついて出てきてしまった。
駅のホーム。
まだ人はまばらだ。
ケータイを片手にベンチに腰掛けた。
―昨日あのあと、
普通に電車に乗って、地元に帰った。
一つ違う事は、ずっと視線が前を向いていたこと。
いつもなら、ケータイをいじったり、音楽を聴いていたりするけど。
目の前の席に隣に立っていた彼が座っていたから。
電車の中では、音楽を聴きながら本を読んでいた。
カッコいいなあ。
ただそれだけだったけど、なんだか惹かれた。


