私は溢れそうな涙をこらえながら、無理に微笑んだ。
泣いていることを陸に知られなくない。
変な私の意地。
「やば…っ……」
……陸?
どうしたの?
もしかして……
「泣いてるの?」
そんなはずない。
陸が泣く理由なんて無い。
でも、電話から伝わってくるのは確かに陸の涙を流している姿。
どうして、陸が泣くの?
「…ごめんな。片想ほど辛いことってないもんな…」
「陸…泣かないで。確かに辛かったよ?辛かったけど、幸せだった。陸を好きでいれて」
「片想いの気持ちって、すげぇわかるから…奈々にずっと片想いしてて、やっと叶った恋だから…片想い中は辛かった」
陸は、どんな片想いの仕方してたんだろうか…
きっと、物凄く辛かったんだろうな。
やっと叶った恋…
だから、奈々さんを手放したくないんだ。
わかるよ。
でも、陸が泣くことない。
私の告白を聞いてくれるだけでいいんだよ?



