私は蓮の顔を真っ直ぐ見つめた。
蓮は眼鏡を上げる仕草をすると私の目を見つめてきた。
「………」
「………」
交わる二人の視線…
二人供、負けじと目をそらさない。
なんなんだ、この状況は……
「ぷ! あはははは」
どうやら私の負けみたいだ。
蓮から目をそらして笑ってしまった。
だって…
蓮があまりに真っ直ぐな瞳で目を合わせてくるんだもん。
「ふっ…心菜の負けな」
「うっさい!次やったら絶対に勝てるもん」
「やっと、いつもの心菜に戻った」
「へ?」
蓮がそんなこと言うなんて…
妙な蓮の態度に、少し緊張している私がいた。
「お前は笑ってた方がいいよ。意外とモテてるんだぜ?お前」
「あり得ないって。お世辞はいいよ」
私は蓮の言葉を笑い飛ばした。
蓮のことだし…どうせ、冗談に決まっている。