二人きりの時間はあっという間に過ぎていって、気づけば私の家の前に来ていた。



時間、経つの早いよ…




「今日はなんかごめんな」


「ううん!海なんて久し振りだったから楽しかったよ!」



陸は笑ってくれた。


ただ、それだけなのに私の心は"きゅん"ってなって息苦しくなる。



でも、陸にはもう会わないって決めた。


最後に楽しい思い出をありがとう。



私は素早く陸の車から降りた。

なぜか、陸も車から降りてきて私の目の前に来た。



「あのな、心菜…」


「ん?」


「……いや、何でもない。じゃあな」



陸は淋しそうに笑って私の頭に手を置いて、車に乗り込んだ。



本当にこのままで私は後悔しない?


……するに決まってる。



だけど、それでいい。



小さくなる車が見えなくなった。

目にたまった涙の雫のせいで…



私はきっと陸に最大級の恋をした。


でも、また最大の恋をして、陸を諦めて良かったって言えるような恋を探す。



でも、今は陸を想って泣きます。




今だけは、


どうか、


許してください。