「心菜」
私の名前を呼んでジーッと見つめてくる。
だけど涙が邪魔して蓮の綺麗な顔が見えない。
わかってる。
わかってるよ、蓮。
「あー!スッキリした!!」
私はわざとらしく立ち上がった。
私はね?
本当に本当に蓮のことが大好きだから。
だから…
「本当に行ってほしくない。だけど、蓮には頑張ってほしいのも確か」
だからね?
「頑張ってね!」
笑顔で私は背中を押す。
今ならできる。
本音をぶつけた今だから。
本音を言えてないまま蓮が旅に行っちゃってたら、私は後悔して立ち上がれなかったと思う。
だけど、蓮には何でもお見通しみたいだから、私が本当の気持ちを隠してたのバレてたみたい。
今なら素直に送り出せる。
本当だよ。



