君に愛の唄を


「よし、着いた!」


「え……ここ、どこ?」



いつの間にか目の前には高級な高層マンションがあった。


まさか……



「俺ん家だけど?」



その、まさかだった。


初めて蓮の家に行く日が別れ間際だなんてね……笑えない。


てか、なぜ蓮の家に来ちゃったの!?


いろいろ聞きたいことはあるけれど蓮はそんな私に気づかないのか気づいてないフリをしているのか…



「適当に座って?」


「う、うん…」



あっという間に蓮の部屋についてしまった。


蓮は一人暮らししていると前に蓮から聞いたことがある。


荷物が入った段ボールがあること、少し散らかっていることからアメリカに行く準備が着々と進んでいることがわかる。


本当に行くんだな、って実感させる。


ズキッ…


……胸が痛い。