「あっ、ここなぁー!こっちこっち!」
遠くで私を呼ぶ紗英が見える。
私は走りながら紗英に大きく手を振った。
「ごめん、待った?」
「ううん、待ってないよ。時間まだあるからお店とか見て回らない?」
私はうんとうなずいた。
なんか、凄い楽しみだなぁ。
なんでかわからないけどドキドキする。
「ねぇ、なんで沢村蓮を誘わなかったの?」
「えっ!?……えと、その…」
紗英…
そこは聞かないでよ。
私は冴えない頭をフル回転させた。
「蓮は、今日用事が入ってて…」
頭をフル回転させたのにこれ?って思うかもしれないけど、これが一番無難だと思ったから…
馬鹿でごめんなさい。
「ふーん…今日は大切な大切な彼女のバースデーって言うのにね」
「あはは…」
紗英の言葉に私は苦笑いすることしかできなかった。
でも、私の中では最高の誕生日プレゼントだから。
一緒に過ごせなくてもいいの。



