「ごめん…俺、焦ってた。お前に嫌われたんじゃないかとか…兄貴のことを好きになったんじゃないかとか…血迷ってあんなこと…俺、かっこ悪いよな…」



焦らなくていいのに。
…私はこんなに好きなんだから。


陸のことを好きにはならない。
…蓮が大好きだからだよ。



「めっちゃかっこ悪いよ…これが目に入らなかったの?」



私は、密着した隙間から無理やり右手を顔の前に持ってきた。


恥ずかしいけど、見て?



「…あ……」


「もう…ばか……」



これからは二人の恋人の証になっていくであろう指輪…


私の宝物だよ。



「貸して…」


「えっ?ちょ…」



蓮は指輪を右手の薬指から外すと私の左手を引っ張り出した。


なにする気?



「こっちにつけてよ…」



えっ……

ほ、本当に?