目の前が白くなった。

「ようやく気づいたか?萌季が怒り狂ってよぉ、大変だったぜ。3組の黒崎とかも来て盛り上がったんだ」

古川の声はもう聞こえなかった。

自転車に乗って刹那のアパートに向かった。

着くことにには足がガクガクになっていた。

汗が顔から落ちる

喉が渇いて、痛い

そんなことに構っている暇はなく、自転車をその場に捨てると刹那の部屋に向かった。

インターホンを押すと同時に、ドアが開いた。

「刹那…」

「匠海くん!おはよう。どうしたの?こんな朝早くに」

普段なら何も思わないはずの挨拶なのに、今日はその姿が痛々しく見えた。