「それ警察に捕まらないのか?」 「よく分かんねーけど金持ちだからな、 そういうの揉み消すのは得意なんじゃん?」 俺は頭の中で美咲の家が爆破されるのを想像する。 何も知らずに帰宅すると我が家が無くなり、嘆き悲しむ杉山家。 俺は… 美咲の泣く姿を見たくない。 「お前まさか…」 電話の向こうの国谷が悟る。 「俺、あの女のところに行ってくる。」 それしか方法がない。