【短】─サクラサク─

「オレが話してんのに!!」

 どこの子供だよ、って笑いそうになるのをこらえた。


「悪かったって」

 チラリと目が合うと、サクはため息をついて俺の頭にのっかる。

髪が不自然に動いてこそばゆかった。


「オレ、妖精なんだ……」

「ふーん」


 率直な俺の答えなのに。


 前髪をツテに、するすると頭上から降りてきたサクは、顔の半分くらいあるような大きな瞳を何度も瞬きさせている。



「なんで驚かないんだよ!」

「え?っつーか、ちっちぇ人型のロボットでもないんだから仕方ねーじゃん」


 我ながら応用力があるというか無関心というか。


 俺の反応が面白くなかったサクは、拗ねたように背を向けて花びらの上に寝そべり始めた。

「……ったく…」

 俺はどうしていいかわからず、たまらず頭をがしがしかいた。