【短】─サクラサク─

 腕を組んで勝ち誇ったサク。

まるで、親分の言うとおりをきいた、っていってる気がしてちょっとムカついたんだけど。


「で、お前一体何なんだよ。虫か?鳥か?」


 俺の言葉に一瞬むっとした顔を見せたサクは、バタバタと羽根を広げて俺の目の前に飛んできた。


「偉そうだな!ったく、教えてやるよ」


 どっちが。
っていう俺の言葉はゴクリと飲み込んでやった。 


 サクは胸を張って、キラリと光をオレに浴びせるように頭上を回転してる。


「オレは、ヨ…」

 その瞬間、上着のポケットが震えだして、思いのほか俺が肩がビクっと跳ねた。

 携帯電話だ。

着信はさっきうっすら見えた母さん。


 見つからないからって電話か。

そそくさともとの位置に戻す。

すると、不機嫌そうなサクがそこにいる。